深海航行記

海流の行き着く先

小説

平野啓一郎『マチネの終わりに』「運命」に呑まれる「自由」

ずっと読みたいと思いつつ、読めずにいた平野啓一郎作品。とても好みだった。著者の自由への関心の高さが伝わってくる小説。恋愛小説というよりかは、自由の物語のように僕には感じられた。広くおすすめしたい。 今年の秋には福山雅治さんと石山ゆり子さんで…

谷川流『涼宮ハルヒの憂鬱』溶け合う「日常」と「非日常」

レーベルを角川文庫に移した『ハルヒ』。僕は常々ハルヒの岩波文庫入りを願ってきているのだが、その未来は確実に一歩近づいたようだ。 ラノベ作品には見えない、とネットで話題になった表紙と、筒井康隆解説に釣られて思わず購入。感想というか、ほとんど懐…